レイキとは、師範より体内に道筋を開くこと(アチュンメント)によって手に特殊な気が通うようになり、患部に当てることで自分や他の人の心身を癒すことが可能になるという技術です。世界中でハンドヒーリングと呼ばれ提供されているもののほとんどがこのREIKIです。
レイキが世界で必要とされる理由
人間はその構造的に、必ずしも健康的な選択を行えるように作られていません。このため、多くの人類が選択のミスによって体調を崩し、医療を必要とします。一方で、この構造はもっと優秀な生命体として存在できる可能性を秘めています。
レイキは最初、選択の誤りに気付かせられ行動修正されていくことで、健康かつ幸福な生き方を認識し、正しく選べるように(意識的ではなく自然に)なります。それは動物的なレベルではなく、地球上に生きる人類という生命体として最も優秀なレベルで存在できるよう導かれるためです。この全容が初めて理解できるのは遠隔法の実践を経て、レベル3が完成したときです。
医療分野でも、健康に生きるには人の選択や生き方、その集合である社会構造がその目的(健康)に沿って構築されていなければ叶わないことが分かってきていることでしょう。レイキはこの部分にアプローチできる細胞的認識療法とも言えるもので、言語ではなくエネルギー(気)によって認識できるという、有用にして画期的な療法なのです。
シンプルには、手を当てるととにかく痛みが消える、体がスッキリして軽くなる、にもかかわらず施術者にまったく負担がないということでどんな人もその有効性を認識します。これが世界で広く活用されているおもな理由でもあるでしょう。
レイキ・ヒーリングの発祥
大正十二年、関東で大震災が起きました。薬も包帯も何もかもが焼失して一帯が病人・けが人で溢れかえった時「手」だけであらゆる症状に対処できるという優れた療法があり、被災者の心身の回復に大いに貢献しました。これが、レイキヒーリング(臼井霊気療法)です。日本で霊と言うと幽霊を想像する人が多いようですが、大正時代の「霊」とは、不思議な・尊い、という意味で使われていました。つまり霊気とは「尊いエネルギー」という意味の言葉です。
臼井霊気療法は大正十一年に臼井甕男(みかお)先生が発見・開発され、これがハワイを経由しREIKIとして世界中に広まりました。今では日本の有名な健康法として知られ、医療にも積極的に活用されています。一方、国内では宗教家がこの療法を新興宗教に組み入れたために、手当てと言うと宗教と間違われてしまうようになりました。先生は宗教ではなく実用できる技術としての発展を望まれておりましたが、大正十五年、福山の宿で亡くなられてしまいました(62歳)。
現象と考察
レイキ・ヒーリングを行うとき、多くの場合熱を発します。少なくとも掌、熟練すると足のつま先・口や鼻の先端が発熱するようになります。気温が低い(約10℃以下)と発熱しにくくなりますが、はじめジリジリとした感覚を得て、手を当てているうち(5~10分程度)に発熱します。この時、手の甲はひんやりとしたままで、手の平だけが発熱した状態になります。また、時折腰椎から胸椎にかけて熱湯を注いだような熱を感じることもあります。
手が発熱しているとき、手の平を見るとほの赤く染まっています。すなわち手の平の毛細血管が開いて体内の熱を放射している状態です。しかし夏季に見られるような自然な熱放射ではありません。脊椎下部の発熱も考慮すると、これは神経伝達を経て「肚」で起こされた熱を一気に放射する現象であると言えそうです。とはいえレイキは温熱療法とも限らず、冷えた手のままでも状態を回復させることができていますので、本質的には神経自体の働き(化学反応に伴う物理現象)が大きいと考えられます。人は「思い」によってすらも神経伝達物質を選択しますので、強い信号特性(健康に有用だと明らかに分かるもの)を持つ振動が体外から与えられると、神経細胞が自動的にこれをトレースするようになると考えられます。これがレイキ・ヒーリングという現象であり、この強い信号特性は師範からの伝授という作業によって継承されています。
ただし、信号の強さ=伝授の強さ は「思い」の質によって差が生まれます。これはヒーリングの有効性と同じです。トレースが正確に行われるように神経細胞が機能し続けるということは、考え方や思いがヒーリングにとって理想的な状態にあるということです。ヒーラーや師範、その世代や流派によってヒーリングの有効性が異なるのは、このような性質に起因していると言えます。
したがってこの状態を保つためにヒーラーは様々な努力を行っています。この努力と、伝授されたレイキの自動特性がかみ合うことで、精神状態が安定し、体内の異変に気付きやすくなり、不健康な選択を行わなくなっていき、さらには強い信号を発して健康な細胞の状態を認識させていくことができるというわけです。
感覚の発達
長年レイキ・ヒーリングを行っていくと、「ヒビキ」と呼ばれる特殊な感覚が手に現れるようになります。ヒビキは、病の原因箇所において手に捉えられる感覚です。
例えば、腹膜に穴が開いていて、腸がここに挟まれると激痛が起き、腸の運動により穴から外れると痛みが消えてしまうという発見困難な病気(内ヘルニア)があります。この患者に激痛が起きたとき手を翳すと、穴の空いている箇所からジリジリとしたヒビキが、穴の大きさのまま30cm~50cmほどの高さまで立体的に感じられます。普通の腹痛は10cmほどの高さで消えるため、異常性をすぐに判断できます。この患者はヒビキの発見をもとに救急車で運ばれましたが1度目は腸が外れてしまい正しい診断が行われず、2度目も到着後外れていましたが、搬送が2度に至ったために精密検査を受け発見されることができました。ただの腹痛といって放置すると死に至るものでした。
人体が体外へ信号を発する特性があるということは、今でもアンデス地域で行われているモルモットを使った民間療法によっても知見を得ることができます。モルモットを人間の体全体に当てると異変のある部分で鳴き声を発することにより病気を診断できるというものです(Pasar el Cuy)。このことから人体はその体の外へも信号を発しており、鋭敏な生体神経において感知できることが分かります。
伝授と施術の違い
ヒーリングを受け続けていればヒーリングができるようになるかと言えば、そうではありません。眼球組織が一定以上の強さの光を捉えて処理するのと同じように、伝授するためのレイキ信号には一定の強度が必要かつ認識できる部位が限られているからです。一部で行われている遠隔伝授がうまく作用しないのは、人体から人体への直接的な信号伝達ないし振動が行われず、人体がどのようにして神経組織を機能させ発信させているかを、受け手の神経細胞自体が認識できないからであると考えられます。すなわち「細胞同士に話をさせる」のが伝授の必須要件であるということです。
気功との違い
気を意図して練り、入れる、抜くなどの操作を行う気功と異なり、レイキ・ヒーリングは完全に意識をニュートラルにした状態で行われます。すなわち神経細胞は人間的な都合や意図から解放され、制御を完全に離れて、師範の細胞から覚えた状態のトレースに入るというわけです。この時、人の「意識」は半分寝ているような状態か、現象をただ観察しているという状態において最も性能の良いヒーリングを行うことができます。ただしこの状態になる前に行う特定の設定方法があり、これが療術としての工夫に該当するでしょう。講座で主に伝えられるのはこの部分にあたります。