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この記事では、私が持っている考え方の一つ、「星躰」についてお話ししましょう。

 新型コロナウィルスが流行り始めたころ、「コロナは地球の意思」という旨の詩が流行ったようですが、現実社会的には、ご遺族のことを想うと不謹慎な詩と捉えられるものでもありましたね。それにこれはまだまだ、星躰にはほど遠い「感覚」の元に作られたものでありました。

 今の人類は、「人類 対 地球」という具合に、ヒトとこの大地を切り離して、仮住まいのように考えている方が多いようです。言ってみれば、この考え方こそが人同士の争いを起こし、均衡を崩す大元の「錯覚」なのです。

 しかし、ある人が「自覚」したとして、かつての人類にはそれを説明する手立てがなく、宗教という形でしか統率を取ることができませんでした。明治天皇は科学発展の世を見据えて宗教からのシフトを試みられましたが、それは、私たちがやがてこれを説明する手立てを得て、「考え方の教育」に基づく「自覚」として、「正しい感覚を得る」未来人類の賢さに、信頼を置いたものであろうと私は考えています。

 であるならば、私はその大御心に応えるべく、この星躰という考え方を、現時点でひとまず最も進んだ考え方として伝え、そのさらなる進歩を見越した一説「星躰論」として、悠久の時間軸の支えにしたいと思います。

 ― この考え方は、人類を平和で健康にし、賢く、調和した存在にシフトさせることができるでしょう。―


人類という器官

 このことを説明するのに最も貢献するのは、医学の進歩です。想像を絶するような先人の努力のおかげで、いま多くの人々は、生き物には脳や神経、筋肉というものが備わっていることを科学的に認識することができるようになりました。

 脳が指令を送り、体を健康に保つ…はずですが、今のヒトは体を傷めるような選択を行いがちですね。それはまだ、このデザインの生き物として未熟な存在であるからでしょう。

 「星躰」は字の通り、星を体として捉えることで、地球と人類の関係性と展望を認識しやすくする呼び方です。物質としての星ではなく、厳密にはバイオスフィアとしての全体性、と考えると捉えやすいかもしれません。

 すなわち、今の地球は人間に喩えるなら3歳児で、脳は未熟な人類。
 どうすれば自分の体や星躰を傷めずに済むのかも分かっていないのです。


疫病は星躰の痛み

 ヒトの体も、無理が重なると風邪をひいたり痛みが出るように出来ていますね。ヒトを脳の候補として成りゆくこの地球という星躰もまた、器官の不具合に反応して刺激を起こすように出来ていると考えることができます。

◆ ところで、そこまで人間の体と地球を同列に考えてよいのかどうか?という疑問があるかも知れませんが、そもそもヒトは地球から発生した生命で、エネルギーを太陽系から拝借しているにすぎません。エネルギー主体で考えれば、身は地球からの借り物と考えることもできますが、そちらは宗教の分野でしょう。間違いなく、ヒトとは地球その一部であり、その辺りの虫とも、共に星躰を構成する器官として(今は未熟であるにしても)機能し、させられているのです。デザインは違いますからその点は考慮しつつも、根源の意思は地球と共有していると考えることで、より未来構想を立てやすくなるのです。このため、ある程度同列に考え方を導くことでヒトの「自覚」や「感覚」を促していきます。

 これを置き変えるなら、私たちを生み出した地球は、私たちに健やかであってほしいと願っていますし、そもそも自身なのですから追い出したり滅ぼしたりはしません。むしろ人類に病があればすなわちそれは地球の病であって、地球も痛く苦しいのです。どうしたらこの苦しみから解放されるのか、地球自身分かっていない…という状態なのです。


意思のトリガー

 これまでの人類史には、神掛かったような閃きによって誕生した技術がいくつもあります。中でも多くの人類に影響を与えているのが電気や通信技術でしょうか。こうした閃きや、意思が発生する原点、ヒューマン・エラー等には、何が関係しているのでしょうか。
※電子化が悪いという意味ではありません。むしろ電子化は人類の進化と全体をバランスさせるプロセスの中で重要な位置を占めるものです。

 人体を見ると、体は脳に影響を与え、欲求や不快感などの体の状態によって心理状態が変化します。もっと言えば、「こうしよう」という意思すらも体に影響されて変化し、その対象は必要に応じて顕在意識であったり無意識であったりするわけです。

 すなわち星躰においても同様のことが考えられ、星躰から人体=人類の脳に影響を及ぼすルートが存在している、という考え方ができるのです。これをガイア・コミュニケーションと呼ぶことにしましょう。


人類の課題

 星躰における脳の候補として作られた人類が、滅びずに生存しようとするならば、よりコミュニケーションを円滑にし、知能を養い、器官とその機能を自覚して、賢く的確に役割分担して生存する必要があります。結果的にそれは、平和で繁栄した人間社会となるでしょう。

 こうした自覚が進むことによって、それはスタンダードとなり、ヒューマン・コミュニケーションのレベルにおいても星躰の均衡を考えずに生きる自己中心的なタイプは淘汰されていくことになります。これはすでに始まりかけていますし、さらにはガイア・コミュニケーションによっても選択されることとなり、それはまるで偶然や幸運のように見える現象となって人々の有利・不利を左右していきます。


近道は自分の体を知ること

 だからと言って、植林をしたりゴミ拾いをしてエコロジーに生きれば良いというものではありません。従来の方法では付け焼刃に留まり、人は星躰を傷めることがどういうことなのか理解できないまま、自分と一緒に健康を害していきます。

 星躰の感覚はもっと根源的に発想を変えるものです。すなわち、自分と地球とを同じように愛する能力を育てるのです。

 自分の体を健やかに保つ選択ができ、そのように生活環境を選択することができ、社会を構築することができ、そして、星躰も同じように想うことができ、星と繋がっている感覚を得ることができれば、ヒトはヒト自体と地球をともに健康で快適なものにすることができるでしょう。

 ― ところが、いまヒトは自分の体すらも満足に健やかに保てないのです。私はこの星躰の考え方と、その感覚を促すことができる、日本の神道やレイキに可能性を見出しています。 ―


ガイア・コミュニケーションの熟成

 「宇宙との一体化」やら「宇宙エネルギー」などと聞くと、「えっ?」と思わず聞き返してしまいそうになりますね。現代のレイキにはまだまだ、こんなおかしな表現が使われてしまっています。

 重要なことを伝えているのに理解されにくいのは、伝達能力の不備によるものです。海外では「コズミックエナジー」で通用するのでしょうが、日本人や日本語には独特の感覚がありますから、その筋の達人が言葉を練らねばうまく伝わらないかも知れません。臼井先生が伝達できた期間は、たった4年しかなかったので無理もないことでしょう。

 しかし、こんな中でも「何かを感じて」レイキを体得する日本人は多く、私もその一人でした。私の場合はレイキを使いつつ旧宮中神道の行を重ねるうちに、宇宙というよりも、まずこの命溢れる星の意思を感じ「地球と自分が同じものである」ことに気付かされてきたのでした。その後、この星を包み込む宇宙もまた自分と同じものとして次第に実感することが出来たのです。いわば、臼井先生の願い(真の神秘伝)は、旧宮中神道の力を借りて、私のもとに結実したと言うこともできるでしょう。

 レイキは心身を調え、病が発生する原点まで意識的・無意識的に知ることが出来、認識することで行動パターンを変えることができます。ヒトは放っておくとそれまでの蓄積や遺伝子データに従ってずるずるとセオリーを歩むのですが、レイキがあることによって、それまで無自覚だった性質までも照らし、好みに変化させることができる点は注目すべきところです。

 星躰の考え方をこれに用いると、ヒトの想いを星に届けることができることに気付く人もあるでしょう。よく「レイキで天気を変えることが出来る」という魔法のような現象を聞くのは、人体と星躰のつながりをレイキによって無意識に持ち始め、双方向のガイア・コミュニケーションを確立させていくからなのです。


愛を守る法

 さまざまな無理を強いられ、厳しい環境の中で必死に生き抜いていこうとすると、自分の体の声を聞いたり、労わってあげたりすることがどうしても難しくなるのが人間という生き物です。

 さらには、他動的に自分を傷める考え方を刷り込まれてしまった場合は、自分を愛することができない人もまたあることでしょう。

 しかし、先にも述べた通り、地球はヒトを苦しませたいなどとは少しも思っておらず、この星の営みに上手に適応して幸せに過ごしてほしいと思っているのです。

 レイキは愛を忘れた人に愛を思い出させ、不自然な要素を取り去り健康を導く、柔らかく温かいエネルギーです。「人の意思」にレイキが導かれるのは、ヒトがそもそもこのエネルギーを保有する星躰の脳であるからでしょう。総意として混在する意思の大部分が愛ならば、星躰も健康になることができるというものです。そのため、レイキヒーリングでは愛と調和の思いで、自他を癒す行動を勧めているのでしょう。

 そして、そのままでも星躰を愛せる人を作るには、愛によって人が命を得るように、その法が曲がることの無いように、社会を作っていくのが良いのです。追い詰められて苦しさの中で命を得ることの無いように、自分を愛せない人を作らないように。それが、悠久の星を紡ぐ法なのです。


2021.5.13 Caloa Takao

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